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「昔のこと、今のこと」を聴講して

日本大学薬学部上席研究員 本田 文江 先生東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野教授 河岡 義裕 先生

昔のこと

高校時代

従兄弟が大阪大学工学部に在籍していたため、同じ進路を考えたが、数学と物理が苦手だったのであきらめた。生物が好きだったので、理学部も考えたが、最終的に北海道大学獣医学部に進学した。

大学時代

大学院修士課程の1年時に、先輩が就職していた武田薬品工業株式会社の研究所を見学に行った。大学の研究施設との違いに衝撃を受け、大学に残るより、企業に就職して研究をしたいと思っていた。ところが、修士課程修了時に、縁あって鳥取大学農学部獣医微生物学講座の助手として招かれ、一旦は断ったものの、教授がわざわざ北海道まで訪ねて来てくださったので、お気持ちに応えることにした。

大学助手時代

アメリカ留学を希望していたため、最短で博士の学位を取得することを目標に定めた。まず、Journal of Bacteriologyの過去5年間の論文を読み漁り、傾向と対策を分析した。そこで、2年間で2報の論文を出すにはバクテリオファージをプローブとして利用するのがいいとの結論に至り、実際に実験を進めた結果、目標を達成することができた。

アメリカ留学時代

獣医学博士の学位を取得後、北海道大学獣医学部の喜田宏先生に留学先を相談したところ、St. Jude Children's Research HospitalのDr. Robert G. Websterを紹介していただいた。留学希望の手紙を送って半年後、Dr. Websterからの返事が届き、1年間の予定でポスドクとしての留学が決まった。1983年8月に渡米して3日後には実験を開始していたが、10月にペンシルバニアで高病原性鳥インフルエンザの流行が起こったため、ウイルスが強毒に変わった原因について調べることになった。

人生の分岐点

留学を1年延長し、引き続きアメリカでの研究生活を送っていたところ、Dr. Websterの右腕として活躍していたDr. Virginia S. Hinshawが、University of Wisconsin-Madisonに移ることになった。そこで、Dr. WebsterからDr. Hinshawの後任ポストに招かれ、このままアメリカに残るか、留学を終えて日本に戻り鳥取大学の助手に復職するか、非常に迷ったが、最終的にアメリカに残ることを決意した。Dr. Websterご夫妻には家の模様替えから庭木の手入れまでアメリカでの生活をサポートしていただき、公私共にたいへんお世話になった。

今のこと

エボラウイルス制圧に向けて

現在、エボラウイルス制圧に向けて、エボラウイルス感染に対する生体応答の研究を行っている。西アフリカでは2014年にギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国を中心にエボラ出血熱の流行が起こった。2014年11月にUniversity of Wisconsin-Madisonで、シエラレオネ出身のDr. Alhaji U. N’jaiと知り合い、12月には共にシエラレオネの首都フリータウンに向かい、政府関係者と共同研究に関して協議した。その後、Dr. N’jaiの協力のもと、現地にラボを立ち上げ、エボラウイルス感染患者とその近親者から提供していただいた血液の解析を行っている。

ネオウイルス学とは

従来のウイルス学は、病気を起こすウイルスの研究であったが、ネオウイルス学では、病気を起こさないウイルスを対象とし、ウイルスが生物の生命活動や生態系に及ぼす影響やその機能メカニズムを研究する。地球生態系におけるウイルスの存在意義の解明が目的である。

執筆者

国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター 高下 恵美

 

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